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Paraboot/パラブーツ

パラブーツの不屈の名作“MICHAEL(ミカエル)”

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PARABOOT(パラブーツ)の中でも定番人気モデルとされている、チロリアンシューズのMICHAEL(ミカエル)。パラブーツの暗黒時代の救世主となったミカエルは、ブランドの消滅の危機を救い、今もなお愛されるチロリアンシューズとして君臨しています。優しい雰囲気ながらも武骨なフォルムで幅広い年代から愛されている、チロリアンシューズ。スニーカーとドレスシューズの間に位置し、カジュアルスタイルから、キレイめスタイルまで汎用性の高さが魅力的です。

フランス母国でも人気1・2を争う人気を誇っており、欠かせないモデルとなっています。今回は、パラブーツのミカエルについて徹底解説していきます。

 

 

 

PARABOOT(パラブーツ)とは?

パラブーツ PARABOOT

1908年にフランスにてレミー・リシャール・ポンヴェール氏が開いた小さな靴工房が元となり、現代ではフランスの宝と謳われるシューズブランド「パラブーツ(Paraboot)」。

Made in Franceと150以上の工程を手作業に拘りぬいたシューズブランドです。

1926年に渡米し、当時のアメリカ人が履いていたラバーソールに着目し帰国後ゴム底の開発をスタートさせました。1927年には、商標登録をし、アマゾンのパラ(para)港からゴム素材を直接輸入しアメリカで発見した(boot)を合わせ、「PARABOOT(パラブーツ)」と名付けられたのです。

創業から100年を越える現在は世界でも指折りの革靴ブランドへと成長を遂げたが、とりわけ母国での評価は絶大で、フランスの家庭では、「大人になったらパラブーツを履け」と伝えられるほどに、ひとつの文化として深く根付いているのです。

様々な苦難を乗り越えながら、今現在ではファッショニスタ達から注目され世界三大靴ブランドとして君臨しています。

パラブーツ PARABOOT

記憶に新しい所でいえば、2008年の北京オリンピックでフランス代表の乗馬のブーツが公式アイテムとして使用されたことでさらに注目されましたね。

 

MICHAEL(ミカエル)の特徴

創業者の息子Julien(ジュリアン)氏の息子、Michel(ミッシェル)から名付けられたモデルです。ミカエルという名前は、ミッシェル氏の名前をラテン語表記にしたものです。

現会長でもあるミッシェル氏の誕生を祝し、命名されたのです。

パラブーツ ミカエル

 

戦後の経済急成長により苦境に

戦争を経て、新しい靴工場を建て続けましたが、技術力のない職人でも安価で大量生産ができるという事からプラスチック製ソールの靴が消費者に浸透。長い間物資不足に苦しみ「早く、安く買いたい」と言う消費者のニーズに適した状況下になり、古き良き伝統的な工場は軒並み閉めていったのです。商品と人との交流に長けていた創業者の息子Julien(ジュリアン)氏だが、経営には向いておらず借金を抱え窮地に陥ったのです。時代の変化と、第一オイルショックが起こったため経済危機に。この時に貼る製法にするか手縫いの製法を守るか2択を迫られ、従来の手縫いを決断しました。

パラブーツ ミカエル

 

変わらず手縫いの靴を作り続けると決意

グッドイヤー製法 とノルヴェージャン製法により縫い付けられた靴は、丈夫で履き心地の良さを重視する、立ち仕事を行う職人に適したニーズにマッチしました。

ジュリアン氏は安価を求める消費者ではなく、ターゲットを技術者に向けた。その中でも建築家、測量師、獣医のために軽いモデルを作ろうと生まれたのが、モデル「Morzine」の始まりです。1945年には、伝説の「Michaël」が製作されます。日本で圧倒的に人気の高いシャンボードよりもミカエルの方が歴史が古いのです。

パラブーツ ミカエル

 

経営難になり、3代目で破産申告

これまでの高度経済成長の時代は終わりを告げ、80年代はじめ、売り上げの45%を輸出に頼っていた小さな靴工場はドルと円の暴落の影響を受たことにより、数多くの顧客を失いました。この時に、ジュリアン氏は会社の経営を息子のミッシェルに託すことに。

苦しい状況が約2年続き、ミッシェル氏は破産の申し立てを行う事を決意。

しかし、組合と商事裁判所はパラブーツ社の未来を信じ、経営続行を承認したのです。

パラブーツ ミカエル

 

ミカエルが注目され、経営状況が大幅に回復

ミッシェル氏は利益を上げるために、模索する中イタリアのアパレル販売業者と提携。

イタリアのスタイリストたちは、「男は外見を変えるべきだ」と断言し、メンズファッションの鉄板でもある暗い色に、ワイシャツにネクタイ、薄いソールのモカシンの時代は過ぎたとから、今後の靴は今までになかった大きなソールのシューズに目を付けたのです。そこで、Parabootの「Michael(ミカエル)」モデルが誕生。

流行はすぐに浸透し、注文が殺到した事により、古くより共に仕事をしてきた業者達は、破産申し立て中にも関わらずパラブーツと仕事を続けてきているのです。

 

現在では、スエードモデルやファーなど様々なデザインも展開さてファンを魅了し続けているのです。

パラブーツ ミカエル

 

 

ミカエルの解剖図

パラブーツの十八番ともいえる、ノルヴェイジャン製法。雨や傷に強くガシガシと使える秘密が詰まっています。それでは、見ていきましょう。

パラブーツ ミカエル

①職人仕事が凝縮された丁寧なモカ縫い

靴の表情を決めるモカ縫い。腕の立つ職人は年々希少に。

②トゥとヒールには芯材をIN

一般的な革靴より大きく、厚みのある芯材で強度を確保。

③水の浸透を防ぐL字型のウェルト

太いウェルトがアッパーとソールの隙間を強固にガード。

④見た目にも力強い極太のすくい縫い

通常の革靴は靴の中にすくい縫いが隠れているのですが、敢えて縫い糸が露出するのも特徴的。

⑤ソフトなのに減りにくい秘伝の自社製ソール

地面を掴むような独特の履き心地もパラブーツの醍醐味。

⑥コルクを省き、凹凸でクッション性を確保

あえて中にコルクを詰めず、凹凸のある中物で衝撃を吸収。

 

ミカエルのおすすめポイント

①防水性

山岳地帯向けに作られたチロリアンシューズは、気候の変化に備える必要があるため防水性は欠かせません。雨の一番当たるアッパー部分は油分を含ませたオイルドレザーを採用し、ミカエルはより多くのオイルを含んだリスレザーを使用していることが最大の魅力です。

革靴にとって雨や雪は天敵で、レザーに染み込んでしまうと悪臭やカビの原因に繋がります。一度染み込んでしまうと、完全に乾燥させられるのに数日はかかってしまうのです。登山靴を得意とするパラブーツ だからこその知見で、多少の雨や水であれば遮断できるので、豪雨の日以外は強い味方になってくれますよ。

パラブーツ ミカエル

 

②波型のストームウェルト

聞きなれないストームウェルトとは、アッパーとソールの繋ぎ目に、テープ状のレザーをL字型に折り曲げて縫い合わせる手法です。雨や雪、砂などを靴へ侵入させない役目を担っています。ミカエルはストームウェルトを波型にすることで、よりデザイン性を高めた装飾に仕上げています。チロリアンシューズに見られる、古くから受け継げれている伝統的なスペックなのです。

ストーム=「嵐」の意味。

パラブーツ ミカエル

 

③お得意のノルヴェイジャン製法

パラブーツの十八番とも言える、ノルヴェイジャン製法。ストームウェルトをノルヴェイジャン製法で縫い付ける事で、完璧とも言える防水性を発揮します。名前の通り発祥はノルウェーと言われており、スキー靴や登山靴だ採用される代表的な製法です。登山靴を創業当時から生業にしてきたパラブーツのノルヴェイジャン製法は世界最高峰に位置付けられているのです。

パラブーツ ミカエル

 

④履き口の広さ

シューレースが2つずつという2アイレット仕様が特徴的。シューレースを緩めるだけで履き口が大きく開くため着脱が楽になります。靴を頻繁に脱ぎ履きする日本人には嬉しい仕様ではないでしょうか?

パラブーツ ミカエル

 

⑤コーデの幅が広い

独特なデザインのチロリアンシューズは、ジャケットスタイルからミリタリー、カジュアルと幅広いコーディネートが可能です。ビジネスシーンではTPOを弁える必要があるが、昨今ビジネスシーンもカジュアル化が進み必ずしもNGという事はないです。

革靴ならではのシャキッとした雰囲気やスニーカー程カジュアルにはならない良い塩梅が魅力的です。

 

 

ミカエルのおすすめコーデ

ブラック

オレンジのカーディガンにブラックウォッシュのデニムを組み合わせたスタイリング。ボトムスと色を合わせ足長効果を発揮しました。カジュアルのスタイルを程よく上品に魅せるミカエルが絶妙で塩梅が良い。こなれ感を出したい時は、チロリアンシューズで合わせてみてはいかがでしょう。

パラブーツ ミカエル コーデ

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マロンブラウン

リネン素材のサマーワークジャケットで武骨で男らしさを演出しつつ、ワイドスラックスで土っぽさを払拭した着こなし。アイボリーの半袖トレーナーで抜け感を意識し、リネンの持つ風合いでおしゃれな雰囲気を漂わせました。男らしいスタイルでもバッチリ合わせられますよ。

パラブーツ ミカエル コーデ

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白く粉は何!?

これ、パラブーツ初見の方は必ず驚くと思うんですけど、結論から言いますと「ブルーム」と言ってロウ分なのです。パラブーツ特有のリスレザーは油分を含んでいるとお話ししたのですが、気温や保存状態により白く表面に浮き上がってくるのです。ブラシでお手入れする事で、レザーにロウが馴染んでいきます。耐久性に優れ雨や傷に強い素材なので、ご安心して頂ければと思います。

パラブーツ 白い

 

お手入れ方法

パラブーツはメンテナンスも楽と言う事もあり、定番のシューズではリスレザーを使用している為、手がかからない事がポイントです。汚れを落とし、靴クリームを塗りこむ事と締めにブラッシングして完了です。

1か月に1回5分で終わるので、革靴は履きたいけどお手入れが…とお悩みの方にはぜひ選んで欲しいレザーシューズになります。

毎日のケアとしては、シューツリーを入れて履きジワを失くし型崩れを防いでくれますので、これは欠かせません。靴を長く、美しく愛用するために、時間不要・入れておくだけのシューツリーは 手間のかからない一番の近道ですよ!

パラブーツ シューツリー

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まとめ

今回は、パラブーツのミカエルについて徹底解説しました。魅力が詰まったミカエルに少しでも興味を持って頂けていたらとても嬉しいです。当店は、愛知県だけなく東海エリアではトップクラスのパラブーツ正規取り扱い店となっております。

実店舗にて履き比べも可能です。安いお買い物ではありませんし、生涯現役と言われるほどの靴なので丁寧に永く愛用してほしい、そう想うからこそ一度手に取って試してほしいです。靴の履き比べも可能なのでぜひこの機会にお試しくださいませ。

 

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女性目線で、30代40代男性の“カッコいい”がお届けできるようブログを執筆。Octet 名古屋で実際にお客様へコーディネートのアドバイスをさせて頂いている経験を活かしながら、大人の着こなし方を配信。毎日の着こなしに悩む男性へコーディネートページを毎日更新し、木曜日メルマガのディレクションも行っている。大人の男性に喜んで頂けるイタリアファッションの魅力をお伝えしていきます。

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