シャツ好きは、大きく二つのブランドに分かれる。
“色気で選ぶフィナモレ派” と “爽やかさで選ぶジャンネット派”。
同じイタリアのシャツなのに、纏う空気がまるで違います。フィナモレは、くたっと柔らかく、自然体の色気が漂う “ナポリ仕立ての余裕”。
対してジャンネットは、陽の光を浴びたような爽やかさと、軽快で立体的な“南イタリアの洒落感”。
どちらも美しいが、“似合う人・似合うシーン・引き出す魅力”がまったく違う。だからこそ、ファンが分かれるのです。
どちらもそれぞれの良さを紐解いていきましょう!
目次
なぜ「ジャンネットとフィナモレ」で迷う人が多いのか
イタリアシャツを探し始めると、必ずと言っていいほど名前が挙がるのが「ジャンネット」と「フィナモレ」。
どちらもナポリの空気を感じさせる上質なシャツで、価格帯も近く、見た目の印象も大きくは変わりません。
だからこそ、多くの人がここで一度立ち止まります。
さらにややこしいのは、どちらも「大人に似合う」「着心地がいい」「長く使える」と評価されている点。
ネットのレビューを見ても、否定的な意見は少なく、比較記事を読んでも決定打が見つからない。
結果として、「結局どっちがいいの?」という疑問だけが残ってしまうのです。
でも実は、この2ブランドで迷うのは自然なこと。
ジャンネットとフィナモレは、優劣で比べる関係ではなく、向いている人が違うシャツだからです。
デザインや仕立ての方向性、着たときの印象、日常での使い方。
そこに目を向けないと、本当の違いは見えてきません。
一見似ているようで、着心地や纏ったときの雰囲気は、それぞれ異なるのです。
この記事では、「どちらが人気か」ではなく、「どちらが自分に合うか」という視点で、ジャンネットとフィナモレを見ていきたいと思います。
GIANNETTO(ジャンネット)
2008年に誕生したジャンネット。ブランドとしてはまだ若い印象がありますが、実はその背景には、古くから南イタリアでシャツづくりを続けてきた強い土台があります。
ジャンネットの母体である SANFORT(サンフォート)社は1979年創業。ナポリの伝統的なテーラリングを受け継ぎながら、ハンドメイドによるドレスシャツを作り続けてきた歴史あるファクトリーです。
その技術力を活かし、より日常に寄り添った“カジュアルで着られる上質シャツ”を作ろうと生まれたのが、GIANNETTO(ジャンネット) なのです。
ジャンネットのシャツには、職人の技術がさりげなく、確かに息づいています。その代表的なディテールが、「鳥足(ザンパテ・グリアート)ボタン」。ボタンが斜めに縫い付けられていて、留めやすく、外しやすい。実はこれ、見た目の装飾ではなく、手仕事ならではの 実用性と遊び心を兼ね備えた伝統技法 。一度着ると、この微妙な着やすさの違いを感じていただけるはずです。
さらに、ジャンネットと言えば忘れてはいけないのが、胸元にそっと覗く“太陽の刺繍”。第二と第三ボタンの間に施された、黄色く輝く太陽のマーク。これは、南イタリアの陽気さや、人生を楽しむスピリットの象徴。主張しすぎないのに、どこか印象的で、ジャンネットのアイデンティティを感じられる魅力的なワンポイントです。
バイヤー林も、実際にヴィンツェンツォ氏にインタビューし、ブランドへの想いや、シャツづくりに込めたこだわりを聞いてきました。
気になる方は、ぜひこちらもご覧くださいね。
Finamore(フィナモレ)
1925年、フィナモレはカロリーナ・フィナモレがナポリの小さなアトリエで、顧客一人ひとりのためだけに仕立てたハンドメイドのシャツから始まりました。
そのシャツは、仕立ての美しさはもちろん、着たときの“柔らかさ”と“自然な馴染み”に魅了され、多くの男性から愛されてきました。
やがてその技術と想いは息子、そして現在は3代目となるシモーネ・パオロ・アンドレア・フィナモレへと受け継がれ、今もなお当時のクラフツマンシップを守りながらシャツづくりを続けています。
フィナモレのシャツには、マシンメイドでは再現できない“手縫いのゆらぎ”があります。このわずかなゆがみこそが、着るたびに身体に沿い、まるで自分のために作られたような心地よさを生み出してくれるのです。
ナポリのテーラリング特有の軽やかな仕立て、自然と立ち上がる襟のロール、“こなれた色気”を感じさせる抜け感――それは決して作り込まれた美しさではなく、肩の力を抜いた大人にこそ似合う表情です。半世紀を超えて愛され続けているのは、単に歴史があるからではなく、着る人の魅力や空気感まで引き出してくれるシャツだからなのです。
それがフィナモレというブランドの本質です。
自分はどちらが合う?
ジャンネットとフィナモレ。どちらも完成度の高いシャツであることに違いはありません。
だからこそ、選ぶ基準は「良し悪し」ではなく、自分のスタイルや日常に合うかどうかです。
こんな方にはジャンネットがおすすめ
・シャツを“気負わず”着たい人
・休日もシャツを着ることが多い人
・ジャケットを脱いだときの軽さを重視したい人
ジャンネットは、着た瞬間に感じる軽快さが特徴です。
身体に自然に沿いながらも、どこか力の抜けた雰囲気があり、シャツ一枚でも堅く見えすぎません。
きちんと見せたいけれど、かしこまりすぎたくない。そんな大人のカジュアルや、オンオフ兼用で使いたい人に向いています。
\ 南イタリアの太陽が育んだ、極上の美シルエット /
こんな方にはフィナモレがおすすめ
・シャツに「品の良さ」や「安心感」を求める人
・仕事でジャケットを着る機会が多い人
・シャツ姿をきれいに見せたい人
フィナモレは、袖を通したときの整った印象が魅力。
身体のラインを美しく見せながら、シャツとしての“きちんと感”がしっかり残ります。
ジャケットの下に着たときの収まりや、一日着ていても崩れにくい安定感は、仕事シーンでこそ真価を発揮します。
\ 1度着たら虜になる、極上のナポリハンドメイド /
おすすめコーディネート
GIANNETTO(ジャンネット)
① 爽やかさと品の良さを両立した、大人のストライプシャツコーデ
ブルー×ホワイトのストライプシャツは、夏の定番でありながら大人らしい清潔感をしっかり演出してくれる一枚です。
ボトムスにはライトグレーのカーゴパンツを合わせることで、きちんと感の中に程よいリラックス感をプラス。
細身すぎないシルエットが今の気分にマッチし、休日のお出かけからレストランでの食事まで幅広く活躍します。
足元のベージュスエードシューズが全体を柔らかくまとめ、大人の余裕を感じさせる着こなしです
② リゾート感を都会的に楽しむ、大人の柄シャツスタイル
存在感のあるボタニカル柄シャツを主役にした、夏らしさ満点のコーディネートです。
派手になりすぎないブルー系の配色が上品で、40代・50代の男性でも自然に取り入れやすい一着。
ブラウンパンツを合わせることで柄の華やかさを落ち着かせ、大人らしい雰囲気に仕上げています。
レザーサンダルを合わせれば、リゾートでも街歩きでも映えるこなれたスタイルが完成します。
③ シンプルだからこそ映える、大人のショーツコーデ
オリーブカラーのシャツが落ち着いた雰囲気を演出する、夏のショーツスタイルです。
ショーツとスニーカーを合わせた軽快な組み合わせながら、長袖シャツを選ぶことでラフになりすぎないのがポイント。
ホワイト系でまとめたボトムスと足元が清潔感を引き立て、暑い季節でも品よく見せてくれます。
休日のお出かけや旅行シーンにもぴったりな、大人が真似しやすい夏の定番コーデです。
Finamore(フィナモレ)
① 大人の余裕を感じる、リネンシャツのショーツスタイル
淡いブルーの総柄リネンシャツが主役の、涼しげな夏コーデです。
柄物でありながら落ち着いた色使いなので派手になりすぎず、大人らしい品の良さを感じさせます。
ホワイトショーツとの組み合わせが軽快で、暑い季節でも爽やかな印象をキープ。
レザーサンダルを合わせることで、リゾート感と上質さを両立した着こなしに仕上がっています。
② リネンシャツで魅せる、大人の休日スタイル
ブルーリネンシャツの自然な風合いが映える、肩の力を抜いたコーディネートです。
白ショーツとの爽やかな配色は、夏らしさを感じさせながらも落ち着いた雰囲気を演出。
首元にスカーフを添えることでシンプルな装いに奥行きが生まれ、こなれた印象を与えてくれます。
近場へのお出かけから旅行まで活躍する、大人の余裕を感じるスタイルです。
③ 夏でも品良く決まる、リネンスーツスタイル
フィナモレのネイビーシャツを合わせた、清潔感あふれるリネンスーツコーデです。
ライトグレーのスーツに濃色シャツを差し込むことで、全体が引き締まり落ち着いた表情に。
タイドアップほど堅くならず、それでいてきちんと感はしっかり残してくれる絶妙なバランスです。
ビジネスカジュアルやレストランでの食事など、大人らしく装いたいシーンにおすすめの着こなしです。
まとめ
結論から言えば、どちらが上か、という話ではありません。
フィナモレもジャンネットも、完成度・上品さ・背景を含めて、いずれも大人のシャツとして申し分ない存在です。
ただし、着たときの印象には違いがあります。
フィナモレは、襟がやや高く、肩まわりがすっきりとしていて、着丈も比較的コンパクト。
ジャケットの中で収まりがよく、フォーマルにもカジュアルにも対応しやすいバランスです。
一方のジャンネットは、襟は控えめで、肩まわりも自然体。
着丈に余裕があり、ドレスシャツでありながら、どこか肩の力が抜けた雰囲気があります。
きっちりしすぎる着こなしが苦手な方には、心地よく感じられるはずです。
どちらもエレガントで上品。
だからこそ大切なのは、「どちらが人気か」ではなく、自分の装いにどちらが馴染むか。
その視点で選べば、この2ブランドで失敗することはありませんよ。






















