イタリア買い付け紀行 ミラノ編 -2024年1月版- 2023/24秋冬 メンズファッション
Octetバイヤー 林 啓成
この記事について

林商店の代表でもあり、Octetのバイヤーでもある林が、イタリア買い付けの際に感じた事を綴った特集になります。

僕達は、日本の男性がイタリアの魅力的なファッションを身に着けることで、さらに自信を持ち、元気に輝くことができると信じています!!
40代50代のおじさん世代も、イタリアのファッションは、スタイルと個性を際立たせるための最適な選択肢だと思っています。

全3話ですので、最後まで読んで頂けたらすごく嬉しいです。

今回、イタリアの展示会・ショールーム回りを通して思った事があります。


それは、 この秋冬のテーマでもあった 「クワイエットラグジュアリー」というトレンドが、 より強く現れてきたなという事です。


派手で目立つデザインや色ではなく、抑えたトーンや柄で素材の上品さを引き立て、気品のある着こなしをというテーマになります。
写真でも分かりやすいとは思いますが、 その上で、色も、ライトグレー・ライトベージュ・オフホワイトなど淡目のカラーを重ねてコーディネートを完成させる。
どのブースを見ても、ショールームで新作のディスプレイを確認させて頂いても、どこもが優しい色づかいで、高級感がありスマートに着こなす事が出来たら格好いいなぁと思ったのでした。


このまま、日本で着こなしてもらってもすごくカッコいいとは思います。
ただ、このままだと、全身ライトカラーのコーディネートで全身白っぽいコーデになっちゃいますので、かなり目立ってしまうかなと。


うまく日本流にアレンジしたラインナップ、色選びをしつつ今のトレンドもご紹介出来れば良いなと思っています。
ヴィヴィットで派手目な色使いではなく、優しい色目のコントラストが今年は注目だと思わされる出張となりました。

Finamore フィナモレ

今回も、finamoreのショールームに伺いました。前回も日本の展示会だけではご紹介できなかっただろうネクタイとシャツを仕入れさせて頂きました。
それは、生地の宝石と称される1871年創業と歴史あるファブリックメーカー カルロリーバ社のシャツとフェルモ・フォッサティのネクタイ。
本当に、これは紹介したいと思わせる商品でしたし、そもそも自分自身が必ず欲しい!という商品でしたので、見つける事が出来た時には興奮したのでした。


そんな思い出もありつつ、今回もショールームを除いたのですが、今回もありました!
シャツメーカーさんも、ニットやジャケット・パンツなどトータルで商品を提案される事が多くなってきていると思いますが、今回のfinamoreではシャツジャケットが本当にカッコイイ創りだったのです。
カバーオール的にも着用出来、ジャケットとしても着こなす事が出来る。
いままであまり見かけたことのないタイプのアイテムで、まだ写真をお見せすることは出来ませんが、次の秋冬までしっかりとお待ち頂けたら嬉しく思います。


このジャケットもさすがナポリだな。と思わせる主張のあるデザイン・カッティングに仕上がっています。特に肩の感じ。
パッドのない仕様ではありますが、独特の柔らかさと袖を通した時、感じる心地良さはシャツメーカーと言うよりも、ナポリのジャケットメーカーが創るものと全く同じで、そのことにも心を動かされたのでした。

BARBA バルバ

バルバもフィナモレ同様ナポリのシャツメーカーになりますが、どこか家族的な雰囲気のあるショールームで、古き良きイタリアを感じさせてくれる場所でした。
社長ファミリーが中心を担うのですが、その家族を中心に全体がまとまっているのを感じ(これは他のメーカーさんにも言える事ですが)楽しそうに商談しているのが印象的でした。


これは、たまたまなのですが、僕がショールームを訪れた時が丁度昼過ぎ。
サッカー セリエAがテレビで放映されており(DAZNでした)、よく見たらナポリのチームの試合でした。
お客さんとお話してないスタッフさんは、テレビの前でナポリのチームを応援するという光景を見ることが出来たのでした。


丁度、土曜日という事もあって、子ども達も一緒に遊びに来ていたので、別に仕事の邪魔をするというわけでなく、アットホームな職場から、バルバの優しい色目・スタイルが生まれているのだろうなぁと感じたのでした。


そして、雰囲気だけでなく今回は商品も。
ピッティウオモの所でも書いたのですが、 ウールのコートが次の秋冬では必ず中心になると思っています。
その為、ウールのチェスターコート。品質が良く、リーズナブル。
僕達が紹介出来るブランドの中から探していたのですが、個人的にはバルバのウールコートも格好良かったのです。


やはりナポリの縫製だけに、肩周りの丸さが特徴的ではあるのですが、本当にカッコイイ!と思わされる1着は、説得力がありました。
バルバ ウールコート
素材の良さも申し分ないですし、価格的にもリーズナブル。
シャツメーカーと思われているバルバですが、ジャケット・コートとこちらも魅力的だと再確認させてもらったショールーム訪問となりました。

LARDINI ラルディーニ

最後は、 いつも感動のあるラルディーニのショールーム。(最近は、ピッティに伺うより、ショールーム回りをさせて頂いている方が楽しく感じたりします。)


運良く、商品の話しをさせてもらい、ラルディーニ兄弟(ルイージさんとアンドレアさん)もお見えになって一緒に写真を撮らせて頂く事が出来ました。
商品のラインナップはもちろんですが、ラルディーニは商品を生み出す・お客様にブランド価値を伝える努力がすごいなぁと思っています。


やはり仲の良さを感じさせるショールームですが、かなり洗練されておりバルバの牧歌的な雰囲気ではないのですが、このあたり各ブランドのカラーが直接でて面白いなぁと思っています。
今回もカフェテリアでランチをご一緒したのですが、同じコック長がスタッフの為に料理を創っており、今回もパスタをいただいたのですが、すごく美味しい。
ピッツァ
商品の説明をしてくださったピエトロさんが、 このパスタのゆで具合が最高なんだ。アルデンテ具合が完璧だ!と絶讃していたのがすごく印象的で、確かに美味しいので僕も満足だったのですが、こんなにしっかりと褒めるのがイタリア人ぽく、うまい!って思う事は確かにあるのですが、これは美味しい!とちゃんと伝えないと駄目だなと改めて思ったのでした。


商品に関しては、 日本では展示されていないフォーマルのラインナップ。
タキシードのも本当に格好良く、最新のトレンドも交えたスーツは、これを着こなしたら本当にカッコイイだろうなぁと。
自分がタキシードやフォーマルウエアを着る機会がないだけに(僕だけじゃなく、多くの人がないと思いますが…)これを着てパーティーに行く。
そんな機会もすごく素敵な事なんではないかと思ったのでした。


ただ、いざ、そんなシーンがあったとしても、今だと、何着るのか凄く迷うだろうなぁと。
本当の意味でのフォーマルウエアをどうするのか?
提案も含めて何か出来ることはないのかな?と思わされたショールームでした。

おまけ

今回も地下鉄よりもトラム!という事で、 トラムやバスを多く使って移動しました。
名古屋には、基幹バスという道路の真ん中を走るバスがあるのですが、ミラノにも似たようなバスがあります。


外周をぐるっと回るバスなのですが、 自分も今回はホテルが端っこだったこともありよく使って移動していました。


専用レーンがない街中は(路面電車であっても)、渋滞と共に遅れていってしまうので朝は特に使いにくい部分もありますが、専用レーンがあるバスはそんなに渋滞も心配なく使えるのでした。


最後にご飯。
今回もペスカトーレという エビとトマトとオリーブオイルを使った料理がメインでご紹介。
本当に美味しいのですが、 僕は日本では喜んでトマトを食べるという事はないのですが、 イタリアにくると、トマトがむちゃくちゃ美味しく感じるのです。
本当に甘すぎず美味しい!!


現地の食材と調味料 この感覚は、イタリア出張だけじゃないかもしれないですが、すごく楽しく現地に行く事の出来る醍醐味だなと感じています。


なかなか写真でお伝えする事は難しい部分もありますが、 イタリアの雰囲気を楽しんでもらえたらと思います。
 
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