イタリア買い付け紀行 ショールーム編 -2023年6月版- 2023春夏 メンズファッション

ショールーム

今回は、 以前はピッティウオモに出品していたブランドも含めて、 展示会場で慌ただしくではなくショールームでゆっくりと商談が出来ると言う事で、 今回は色々なブランドのショールームを回る機会を創らせていただきました。


2日間かけて多くのショールームを回ったのですが、 印象に残った場所をご紹介させて頂こうと思います!

Finamore フィナモレ

フィナモレの社長でもある シモーネさんとゆっくりお話しすることが出来ました。
フィナモレ シモーネさんと弊社バイヤー林
シャツ生地でのショーツの組み合わせ提案など 斬新でトレンド感の有るコレクションもありましたが、


やはり力を入れている商品はシャツ。


圧倒的なサンプル数と ラグジュアリーなシャツ生地メーカーさんとのオリジナル生地での提案。


現在、 ごく一部にはなるのですが、 カルロリーヴァが有名ですが、布地メーカーの需要がかなり逼迫しており、 そのようなシャツ生地ブランドなどは、購入したくても、生産量が足りず買えないという現実がります。


そこを、 100年に迫る歴史を持つフィナモレだからこその関係性で、 独占的に生地を提供してもらったり、新しいデザインを一緒に創っていただいたりしているという事でした。


そして、もう一点。


フィナモレには沢山の職人が一緒に働いている事。


人件費が掛かってしまうという事実はありますが、 それ以上に職人の手を使い、アートでもある作品を創り続けたい! そのようにお話しされていました。


その代表が、 今も変わらず肩袖の取り付けを含め、 必ず手作業で縫い続けている場所があると。


その1つ1つの作業で 服に命を吹き込んでいるので、 肩の縫い目を見てもらいたいと。


必ず僕達のシャツだと分かるはずだからと おっしゃっていたのが印象的でした。
そしてもう一つ ドレスシャツと言えば、ネクタイ。 今まではずーっとウルトゥラーレのネクタイを紹介していたのですが、 この春夏はフィナモレのニットタイを扱う事に決めました。


その理由の1つは、 FERMO FOSATTI社製のガルザを使ったニットタイを発注することが出来たから。


世界の名だたるトップブランドが、 発注しようとしているのですが、数量を創る事が出来ないので、 生産量を増やさず、取引先を大事にされているというブランドになります。 シルク100%のニット 細いシルクを扱い、独特で上品な表情にひかれたのでした。


シモーネさんとも 沢山お話しすることが出来、 すごく楽しいひとときとなりました。
そして、 実は、今、イタリアでフィナモレの新作のシャツを購入しても、 日本国内でフィナモレのシャツを購入しても、 値段がほぼ同じくらいの価格になっています。


現地の価格も、どんどんと高騰しています。 国内の価格も上がってはいるのですが、現地よりも抑えめで、 内外価格差があまり無い状況になっています。


それを見た時に、 日本の現状を、色々と考えさせられたことも付け加えておきます。

LARDINI ラルディーニ

ピッティへの出典をやめてしまった、大きなブランドの1つ。


ミラノのショールームは本当に驚かされました。


実際に砂をわざわざ入れてのディスプレイ。 ヘルノの展示会場やショールームも凄いのですが、 それと全く変わらないくらいの熱量でした。


なんと、 お抱えのコックさんがいるのです。


ちょうど昼時にお邪魔したのですが、 何と、軽食を一緒に食べることが出来ました。
そして、食堂の食器には全てブートニエール。 この徹底したブランディグこそがラルディーニのデザインを支えるのだなぁと改めて納得した瞬間となりました。


アイテムとしては、 これまた国内の展示会で見るコトの出来なかった、シーズナルコレクションやパーティーをイメージしたタキシードなど、見る事が出来、楽しかったです。


そのなかで これは国内にも入ってくるといわれていたのですが、 コットンシャツ素材でのジャケット。うちではジャンネットで人気の商品ですが、 ついに次の夏はラルディーニからも発表されていました。
創りがちょっと違うので、 ドレスよりの表情もラルディーニらしさ全開ですごく格好いいなぁと思いました。


ピッティウオモも含め、 他社のブースでも多くシャツ生地のジャケットをみましたので、 次の春夏はこのようなアイテムは人気になるのではないかと思っています。 自分達も ラルディーニを含めて紹介して行こうと思います。


そして、 常にバイヤーさんがショールームに出入りしており、 すごく賑やかだったことが印象的でした!

JACOB COHEN ヤコブコーエン

現地のショールームで驚かされることの1つに モデルさんが待機していることもあります。


いつ呼ばれるか分からないのに、 服を着て僕達バイヤーさんに見せる為に待機しているのです。
ヤコブコーエン 服を着て待機する男性モデル
国内でも ディースクエアードでは 見たコトがあるのですが、 ミラノでは複数のショールームでモデルさんを見ました。


自社の商品が一番格好良く見せる


飾ってある服よりも 着ている状態の方が美しいという事 そのように自分達は創っているという思いも含めてです。 本当に 素敵な事だと思いますし、 実際に来ている姿はすごく格好良かったです。


モデルの細かい差なども 置いた状態ではわかりにくいのですが、 実際に穿いてもらうと、 はっきりと分かる事もあり、パンツのブランドでモデルさんは良かったです。 (実際に自分で着用することも多いのですが、パンツの場合、ウエストがあわないとベストの状態で穿くことが出来ないので)
今回のシーズナルテーマ。


デザイナーさんに直接説明して頂いたのですが、 ジェノバ シシリー ナポリをイメージした デザイン&パッチを使ったコレクション。


本当に細かいポイントまで意識されており、 パッチ・釦・裏地・ポケットなど 特別感が漂う仕様になっていました。


全部のコレクションを 日本で紹介するのは難しいですが、 何か国内でも紹介出来ないかと今からになってしまいますが、 オーダーを検討しようと思っています。


国内の展示会にこなかったら、 注文出来ないかもしれませんが……

HERNO ヘルノ

最後に毎年伺っていた ヘルノのショールーム。


こちらも 本当にエントランスから凄くて、 圧倒されます。
ヘルノ ショールームのエントランス
もちろん モデルさんもいます(笑)。 ページに使うと 怒られそうな気もするので やめておきますが、すごく格好良かったです。


そして、 ヘルノは展示会にむけて、 商品ではないアイテムを ディスプレイ用に沢山仕込んでくれています。 これが本当に凄いのです。


これ販売するの? って聞くのですが、 これは展示用のアイテムです。


という事で、 有る意味、コレクションの為に必要のないものをデザインしている。
以前の様に、 コート一辺倒ではなく、 パンツや靴も含めトータルでの提案に変わっていっているので、 世界感をはっきりと伝える為には必要なのかなと思うのですが、 その点も含めて、製品化しないアイテムも含め、発表している点数の多さにびっくりするのでした。


これが 時代を先取り、ファッションカンパニーとして生きるということなんだろうなぁと 自分はすごく感じているので、僕達もそのような志の高いブランドさんとお話しをさせて頂ける事を喜びと変えて、僕達で紹介していければと思います。


なかなか、 日本の代理店さんとだけお話ししていると、 見えてこない情報を教えて貰えることが、現地ショールームのよさ。 本当に 有意義な時間になりました。


僕達の目で、 少しでも良い商品。 コストパフォーマンス良くご紹介できる商品を これからも紹介し続けて行きます。


続きのイタリア編は近日更新予定! お楽しみに。
 
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